IELTSに関して、概要や個人的な勉強法などまとめ

2025-07-28 11:37:44

前回まででIELTSの挑戦が終わったので、個人的な勉強法などを書いておく。
ただのメモだが、まあ誰かのためになれば。

あくまで僕個人の考えであり、万人に当てはまるものではないが、
僕自身は、英語を理論的に学ぶことで使えるようになっていきたい人なので、
そういう人には向いているかも。

なお、ここで使っている永住権という言葉はニュージーランドの永住権を指します。

概要

英国式の英語技能試験。
そのためイギリス英語に寄っているかと思われるが、別にアメリカ英語で答えても問題ない。(スペルや発音など)

General:永住権など、日常生活の英語力証明に使う。
Academic:英語母国語ではない人が、大学などの入学条件を満たすのに受験する。
の2種類あり、
違いは、4技能(Listening〜Speaking)のうち、
Readingの問題内容と、Writingのタスク1の設問のみで、残りは同じ。(詳細は各技能の項目で)

受験後、どの問題で正解したかなどのフィードバックは貰えない。
また、4技能のうち、例えば1技能だけ点数が足りないなどの場合、One Skill Retakeという仕組みがある。
これは1技能だけ再試験できるという仕組みで、その結果前回の点数を上回っていれば、それが採用される。(ただし、受験料は別途必要)
大学の入学条件でAcademic IELTSを定めているところはこのOne Skill RetakeをOKとしているところも増えてきている。
おそらく永住権の申請のためでも、このOne Skill Retakeの結果でもOKになっていると思う。(要確認)

点数

点数は0.5刻みの、1〜9。
4技能に対してそれぞれ点数がつき、これをBandという。
さらに、それを平均したOverallという全体の点数がある。
おそらく永住権ではOverallのみで判断されるが、学校の入学条件とかだと、Overall 6.5以上かつ各Band 6.0以上など、どちらの条件もあることが多い。

Overallの計算は、0.25刻みで切り上げされるので、
例えば、Listening 6.0、Reading 6.5、Writing 5.5、Speaking 5.0 だと、
平均値は 5.75になるが、0.25刻みで切り上げして、Overall 6.0になる。(5.5ではない)
しかし、上記の例でWritingが5.0の場合は、平均値が5.625になるので、Overallは5.5に下がる。

日本人の平均が、Overall 5.9 あたり。(General, Academicともに)
特にListeningやReadingは6.0を超えるが、WritingやSpeakingは約5.5〜5.6が平均のため、
全体的に日本人はInputよりOutputが苦手な傾向にある。(もちろん個人差ある)

採点や評価基準の詳細は下記を参照。
https://ieltsjp.com/japan/about/about-ielts/ielts-band-scores

時間

テストの総合時間 3時間強
Speaking以外はほぼ休憩なしで受験しないといけない(トイレは行かせてもらえるが、その分自分のテスト時間が削られると思ったほうがよい)

受験方法

試験の受け方は、Paper IELTS、Computer IELTSの2種類がある。Paperのほうが昔からあり、Computerはここ数年増えてきた。
それぞれの4技能についての違いとしては、
Listening: Paperのほうは聞いた後に答えを書き込む時間ための時間が10分もらえるが、Computerのほうは2分のみ(見直し用)。ただしComputerはヘッドホン使えるので集中できる。
Reading: ほぼ違いなし。Computerのほうは選択問題とかで答え方に少しクセがあるので、慣れておく必要あり。
Writing: タイピングか手書きかの違い。手書きのほうはWord数が足りているかを自分で計算しないといけないし、修正が面倒。
Speaking: 違いなし。

ただし、Paperは全体的に問題文に書き込みできるメリットあり。

試験結果の開示は、Computer: 1日〜5日、Paper: 13日と、Computerのほうが早い。

よって、
個人的には、タイピングに抵抗がなくて、早く結果がほしければComputerおすすめだが、
結局自分にあったほうを選ぶのが一番よい。
(僕個人は過去6回すべてComputer IELTS)

Listening (約40分)

パート1〜4で構成され、各パート10問。合計40問。
パート1〜3は、各パート半分程度で別れており、音声も一度そこでストップして、1、2分ぐらい間を空けて、残りが流される。
ちょうどそこで問題形式も変わる(例: 半分まで選択形式で、残りは穴埋め形式など)。
パート4は一気に最後まで音声が流れる。問題形式はほぼ毎回穴埋め形式。

パート1: 日常会話のダイアローグ(例: 道順を訪ねる人と答える人の会話、アクティビティの予約の電話など)
パート2: 一人が複数の人に話す際のモノローグ(スピーチ?に近い)(例: 大学への新入生のオリエンテーション、新しい会社に入った際のルールなどの説明など)
パート3: 少し内容が複雑なダイアローグ(例: 同僚との新しいプロジェクトの問題点や解決策、大学の先輩が去年受講した授業についての後輩からの質問など)
パート4: 特定のトピックに関連した、少し学術的なモノローグ(例: 太陽光発電の仕組みに関する説明や、メープルシロップがどうやって作られてどういう効能があるかの説明など)

個人的には、パート1,4,2,3の順で難しくなる。(個人差あり)
1が一番簡単で、2,3と難しくなるが、
4は穴埋めだからか、わりと難しいとは感じない(内容は、全然知らない話題も多いが)
そのため、簡単なパート1や4で点数を稼ぐのが大事。

個人的にキツいのが、1回しか音声が聞けないこと。
そのため、問題文はあらかじめ先読みしておく必要がある。(パート1の音声が流れる前に30秒〜1分ぐらい読む時間あり)
あとは各パートの間に、さらに次のパートを先読みしておくなど。
ただし、完璧にやろうとするとすぐ音声が流れてきて慌てることになるため、
ざざっと読んで何のトピックについて話すのか、どういうことが問題になっているのかを把握するレベルの先読み。

また、どうせ全部解けるわけではないので、聞き取れないところはどんどん飛ばして音声についていくことが大事。
点数のところで示したURLからすると、例えばリスニングで6.0を取りたい場合、23問/40問 の正解率が必要だが、
逆にいうと、約4割は間違えてもよいことになるので、聞き取れない1つの問題に執着するより、次の問題に進んだほうがよい。
特に選択式の問題は、3択などもあり、その場合当てずっぽうでも33%の確率で正解できる。

穴埋め問題の場合、
単語やフレーズを書くことになるので、スペルミスや複数形のs付け忘れなどは不正解になる。
また、たまに電話番号などの数字の羅列や、聞いたことない地名や名前のスペル(アルファベットを言ってくれる)が流れるので、数字やアルファベットをすぐに文字にできるように練習しておく。
とはいえ、どうせ1,2問なので、あまりここだけ練習しても点数アップには繋がりづらい。
文法からどういう系の単語(形容詞、数字など)が想像できる場合も多い。
しかし、答える箇所の周りの単語が、答え欄に書いてある文章丸ごと音声で流されることはなく、
言い換えられていたり、文章の構造が多少違っていたりするので、
一語一語聞き取るというより、どういう話を話しているのかを理解するほうが正解しやすい。
答えの単語やフレーズ自体はそのまま流れるのでそこは聞き逃せないが、わりと強調して発音してくれる。

特にダイアローグのパート1,3において、
たまにだが、一度言ったことを後で覆すひっかけ問題がでる(特にパート3)
だが、これはまあ出たら仕方ないと思うしかない。

おすすめ勉強法

・Listening模擬試験
 最初にやってみて自分の点数を把握し、その後の勉強計画を立てるため。
 もちろん、問題自体と、そのスピート感に慣れる意味もある。
 試験前以外は、1,2週間に1回やって自分の立ち位置を把握するぐらいでよい。
 
・シャドーイング(+リピーティング)
 特に初めてやる場合は、森沢洋介さんの音読パッケージシリーズがおすすめ (「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング」など)
 自分で音声を出すため、Speakingにも役立つ。
 毎日やることで効果があるが、最初の数週間は自分では上達が感じられない。しかし継続は力なり。
 自身にとってある程度簡単に理解できるレベルでやらないと効果が薄いらしい。難しすぎるのはやる気もでないし。
 リピーティングは、流れた文をそのまま自分で再現してみる方法だが、まとまった文を瞬時に覚えなくてはいけないために、
 英文を単語単語で覚えるのではなく、まとまったフレーズのつながりとして理解するのに役立つ。

・少量のListening問題を解く
 下記サイトに多くの問題がある。1つ1つの音源が短いので、短い時間でも勉強しやすい。
 (B1、B2などはCEFRという欧州の言語能力判定基準で、B1がIELTS 5.0レベル、B2が 5.5レベルに相当。)
 分野が色々あるので、様々な単語を耳にできる。
 https://english-practice.net/english-listening-exercises-for-b1/
 https://english-practice.net/english-listening-exercises-for-b2/

・映画やドラマで学ぶのは、あまりおすすめしない。(時間に対して効率が悪い)
 だとしたら、10分弱の音源(Listeningの各パートと同じぐらいの長さ)を集中的に聞いて、
 音源で話されている内容をしっかり理解するほうが重要。
 このために、後述のNote Takingはおすすめ。
 同じ理由で、例えばAudibleやニュース聞き流しているだけで頭に入ってこないのはあまり意味がない。
 要点は、耳が聞こえているかどうかではなく、それを頭で理解できているか。
 もちろん、自身には合っていると確信している場合や、勉強の息抜きにっていう意味ならあり。

・Note Taking
 音声で話されている内容を、同時進行でメモ取っていくことで理解力を上げる勉強法。
 特にゆっくり話されると大丈夫なのに、スピードがあがるとついていくのが難しくてどんどん進んでしまうという場合におすすめ。
 流された音声をなるべく多くメモを取り、あとでつなぎ合わせて何を言っていたのかが把握できることを目標とする。
 もちろん一語一語すべてを書き取ることはできないし、主要単語以外は書き取る必要は薄いが、
 略語、記号ありでもいいからできるだけ多く書き取っていく。
 そうすることで、手の書き取りスピードを上がるが、それ以上に頭で理解するスピードが上がるのがこの勉強法の重要なポイント。
 音源は何でもいいが、自分の興味のある内容などでやるのがおすすめで、最初は短いほうが継続しやすい。
 ニュース音源は、一つ一つのニュースが短いので、負担にならずに始められる。
 (RNZアプリで無料で聞けるのがおすすめだが、少し速い。もちろんIELTSの音源が苦でないならそれでもOK)
 IELTSのListening対策というと1度しか聞いてはいけない気がするが、
 勉強の間は2度でも3度でも聞いて、自分が聞き取れていない部分を改善していくほうが大事。
 パート3,4のためにビジネスや学術的な内容をやりたい場合、TED talkや、TED-edなどもおすすめだが、難易度高し。

その他
・穴埋めのための単語聞き取り
 Youtubeなどの音源を使って、自動的に穴埋め問題などを作ってくれるサイト。
 http://www.tubequizard.com/add_quiz.php

・数字聞き取り訓練サイト(特に大きい数字の聞き取り)
 https://english-number.com/number-test
 ただし、これはIELTS向けではない(IELTSでは大きい数字はそこまで出てこない)

Reading (60分)

Academicのほうだと、
パッセージ1〜3で構成され、各パート13or14問。合計40問。
各パッセージ1000word程度の本文を読んで問題に答える。
問題は、選択問題や穴埋め、正誤問題などに分かれる。
内容は歴史や論文風エッセイなど。

GeneralのReadingは受けたことないので一般的なことしか言えないが、
問題構成はAcademicと同じで、確かパッセージ1,2がもっと短い文章で、パッセージ3が1000word程度のビジネス文書などのはず。
全体的にGeneralのほうが簡単だと言われているが、
正答数に応じた点数のつけ方に差異があり、
点数のところで示したURLからすると、Academicだと30問正解すれば7.0になるが、Generalだと6.0になる。

つまり、Academicは英文が難しい分、配点が優しめで、Generalは英文が簡単な分、配点は厳しめ。

パッセージ1,2,3と難しくなっていく傾向にあり、かつ、
往々にしてIELTSのReadingは時間との戦いになるので、
1は15分ぐらいで終わらせて次にいくほうがよい。

各問題は、だいたい本文の書いてある順に沿って出題されているので、
先に問題をざっと読んでから本文を読み始めると理解が早い。
全部本文を読んでから答えると、最初のパラグラフなどを忘れていることが多いので、
ある程度まとまりを読んだら関連問題を答えてってやっていくほうがよいかもしれない。(個人差あり)

分からない単語やフレーズがあっても、あまり悩まず1パラグラフを読み切ってから再度該当箇所を振り返ると意味が分かったりする。
Writingにも役立つ内容だが、英語のパラグラフはそこで話が必ず変わるようにできており、
かつ、そのパラグラフで言いたいことはほぼ最初の文(Topic Statement)で書かれている(たまに最後の文のときもあるが)。
そして、残りはそのTopic Statementを補足するための詳細だったりする。
この考えを知ってパラグラフを読むだけでも随分理解が違う。

穴埋め問題は、必ず本文中に答えがあるので、落ち着いて探す。
ただし、NO MORE THAN TWO WORDS などの指示が問題文中に書いてあるので、そこは見落とさないように。(Listeningの穴埋めも同様)

おすすめ勉強法

・単語
 ある程度の単語が分からないと読むのが中々進まないので、他の技能より単語を覚える重要性が高い。
 勉強法は単語について記載する後述参照。

・Reading模擬試験
 時間感覚を掴むために行うが、たとえ60分で終わらなくても、一応最後の問題までは解き切る。
 そして、後で答え合わせの際に、なぜ間違えたのかの復習をしっかりすることで、自分の弱点がどこにあるかを理解する。
 (例、文法が分かっていない、単語が不明確、文法も単語も分かるけど文全体として何を言いたいのか掴み切れていない、時間が足りなくて焦って集中できない)
 これもListeningと同じく、試験前以外は、1,2週間に1回のペースで良いと思う。

・Speed Reading
 読むスピードを上げたいときにやる練習方法。
 下記Victoria大学のサイトから、「Speed Readings」という項目にあるPDFをダウンロードする。
 https://www.wgtn.ac.nz/lals/resources/paul-nations-resources/speed-reading-and-listening-fluency
 1ファイル20個ほど英文が載っているので、タイマーで測りながらなるべく急いで読む。
 そして、読み切ったらタイマーを止めて、英文後にある問題(8〜10問)を答える。
 ただし、この時本文を見返してはいけない。自分の理解した範囲で答える。
 その後、正答率と時間を各PDFの最後にある表(Progress Graph)につけていく。
 これを毎日1つずつ行い、正答率が7〜8割を維持しつつ、時間を短くしていく。
 正答率6割以下だと読むスピードが少し早すぎる、正答率9割ぐらいだと時間をかけすぎているという感じで、理解力を維持しつつ読むスピードを上げるのが目標。
 IELTSを解くには、最低 150 wpm ぐらいが必要。

 PDFは、レベルに合わせていくつかある。例えば500 word levelとあるのが一番簡単だが、
 あまり自分に取って難しすぎるとスピードを鍛える訓練にならないので、ゆっくり読めば簡単ぐらいのものを選ぶとよい。
 New Zealand 〜 とあるのは、ニュージーランドの内容に関連したトピックばかりなので、内容的にはとっつきやすい。
 しかし、2000 words level + AWL とあるやつの、AWLは、Academic Word Listといって、Academicなワードが多いので、Generalを受けるならここまではやらなくてよいかも。
 トピックによってかなり時間かかったり、早く読めたりとするので、あまり一個一個の結果には一喜一憂せずに毎日続けて、
 上下しつつもだんだんスピードがあがってきているというのを実感していくと良い。

Writing (60分)

タスク1、2で構成されている。
タスク1: Academicだと表や図などの説明を書く、Generalだとビジネス向けや友人向けの手紙。150 words以上。
タスク2: 与えられた問題に対する自分の意見を記載したエッセイ。250 words 以上。

タスク1, 2それぞれで点数が出て、その結果でWritingの点数が採点されるが、
タスク2のほうが比重が大きく、例えばタスク1で7.0を取っても、タスク2で6.0だと、Writingの総合点は6.0になる。
詳しい値は下記URLの「Writing」の項目参照。
https://www.soledu.net/jp/ielts-score/
そのため、タスク2重視でいくのがよい。
例えば、タスク1は20分、タスク2は40分という配分が一般的だが、
タスク1に20分以上かけると残りが時間足りなくなるので、
タスク1は15分で終わらせるぐらいのつもりで取り組む。(実際は問題がどの程度書きやすいかにも左右されるが)

タスク1は、AcedemicでもGeneralでも、下記4パラグラフ構成が一般的で書きやすい。
1: 導入
2: 概要
3: 詳細1
4: 詳細2
Generalはこれ以上の詳細は分からないが、
例えばAcademicでは、グラフの説明をしないといけない問題だった場合、上記構成に則ると、
1: このグラフがどういうことを表しているグラフなのかの説明を1,2文程度で説明(例: このグラフは1968年と2018年の日本における収入に対しての消費項目の割合の変化を示しています)
2: グラフの大まかな傾向の説明(例: 全体的に、衣食住などの基本項目に対する消費が減った一方、レジャーや家電、個人の趣味などに対する消費は増加しています。)
3,4: グラフの中で特徴的な部分を2点ほど取り上げてそれぞれ説明(例: 食費は1968年に35%を占めており、他の項目と比べて最も支出がかかる項目となっていました。しかし、2018年には17%まで落ちており、住宅費やレジャーにかかる金額より少ない結果となっております。等々)
のような書き方となる。

AcademicでもGeneralでも重要なのは、
事実のみを述べ、勝手に自分の想像で情報を足さないこと。
例えば上記のグラフの例であれば、何故食費が減ったのかという理由は問題の中で説明されていないため、
それを勝手に「食費が下がった理由は、高度経済成長のために、社会全体の食品の値段が下がったためだと思われる」などのような文を書くと、どんなに上手い文章でも点数は下がる。
つまり、タスク1は自分の意見ではなく、いかに提示された情報を効率的に英文で伝えられるかという点を評価されることになる。

タスク2は、 逆にエッセイのため、自分の意見が重要。
そのため、同じ4パラグラフ構成が一般的だが、
1: 導入(自分の意見を記したTopic Sentenceが最後の文)
2: 理由1
3: 理由2
4: 結論(最初の文で、再度自分の意見を説明(つまりTopic Sentenceの言い換え))
という構成になる。

問題の形式は、大まかに分けて3パターン
A: メリットとデメリットを説明して意見を答える問題(例: コンピュータ技術の良い点、悪い点をあげて議論せよ)
B: ある出来事がどの程度問題になるかどうかを答える問題(例: 子ども教育にとってテレビはどの程度有益か?)
C: 問題の起きている原因と解決策を答える問題(例: 観光地化によって世界の自然が失われているのは何故か、また解決策は何か?)

A,Bは書き方は一緒で、BであってもメリットデメリットをあげてAのような形式で答えればよい。
そのため、例えば、コンピュータ技術の良い点、悪い点であれば、
1: ここ数十年でコンピュータ技術は進歩してきた。今はなくてはならない技術だ。このエッセイではそのメリットデメリットを説明する。
2: メリットは通信技術の発達によって、社会の様々な面が効率的になったことだ。(+この後この意見を補強したり詳細説明をしたりする内容を書く)
3: デメリットは座りがちな生活の増加だ。(+この後この意見を補強したり詳細説明をしたりする内容を書く)
4: 結論として、〜というデメリットはあるが、〜のためにメリットのほうが上回っていると思う。しかし〜という点には注意する必要があり、〜することでより効率的にコンピュータ技術を活かしていくことができると思う。
などのようなことを書く。

Bであれば、1,4のところが少し違う。
例えば、子ども教育にとってテレビはどの程度有益か?であれば、
上記1の最後の文(Topic Sentence)にて、テレビは有用だが子どもの教育としては有害だと思う。その理由を説明する。みたいに書いておいて、
2,3でメリットデメリットを説明。
4の最初の文にて、〜というメリットはあるが、子どもにとってはデメリットが大きいので、テレビは有益ではないと思う。みたいな感じで書き始めるのがよい。

Cの場合、2,3が理由ではなく原因と解決策になるので、
例えば、によって世界の自然が失われているのは何故か、また解決策は何か?の問題の場合
1: 世界的に観光業界の発展している。しかしその結果、自然破壊が進んでいる。このエッセイではその理由と解決策について説明を行う。
2: 観光地化による自然破壊の一番の理由は、観光地のゴミ問題だ。(+この後この意見を補強したり詳細説明をしたりする内容を書く)
3: 解決策としては、罰則の強化と環境保護の啓蒙活動だ。(+この後この意見を補強したり詳細説明をしたりする内容を書く)
4: 結論として、観光地の自然破壊はゴミ問題により悪化の一途を辿っているので、罰則の強化と環境保護の啓蒙により改善していかなければならない。しかし、〜などの問題もあるので、実際の進め方については〜なども注意していく必要がある。
などのようになる。

どのパターンであっても、
重要なのは、いかに自分の意見を、分かりやすく、かつ説得力をもって伝えるか。
書いてある内容が必ずしも正確である必要はなく、
例えば、上記の自然破壊の理由だと、ゴミ問題が一番の理由ではないかもしれないが、自分がそう思っているということがちゃんと証拠とともに説明できればOK。
この「証拠」も具体的な数値などを挙げる必要はなく、一般的な知識を例をあげて説明するなどで十分。
(例えば、富士山は世界遺産に登録された後に、観光客により登山道にたくさんのごみが放置されるようになり、景観が壊されているため、世界遺産抹消の危機がある など)

英作文では、日本語の作文以上に適切な構成に則っているかが重要になるので、
ある程度型を覚えてしまえば、後はそれに沿って自分の意見を配置していけばよい。

これらを押さえた後の話としては、同じ単語や表現を何度も使わないこと。
これは表現力がないと判断される。(英文だとこの傾向が顕著)
問題のキーとなる単語だと何度も使わざるを得ないが、それでもなるべく言い換えができるようにしておく。
(例: 「就職する」であれば「get a job」「secure employment」「start working at a company」など)

なお、細かい点だが、スラングやインフォーマルな表現は減点対象。
ただし、Generalのタスク1では、どの程度フォーマルな問題が出るかによる。
例えば友人への手紙だと、多少インフォーマルがあってもOKだし、あまり堅苦し過ぎる文章は微妙かも。
ただ、ベースは書き言葉であって、話し言葉ではないよということを理解しておく。

おすすめ勉強法

・Writing模擬試験
 まだ一度もやったことなければ、そもそも自分が150 wordsや250 wordsを書くのにどれくらいの時間がかかるのかを同じ問題で把握しておく。
 ゆっくり書けばそこそこの内容書けたとしても、IELTSでは推敲している時間があまりないので、いかに悩まずにすっと書けるかが重要になってくる。
 そのため、自分の立ち位置を把握するのが重要。
 英文である程度自分の書きたいことが書け、IELTSの形式に慣れてきたレベルであれば、毎日1タスクずつ書いて添削というプロセスを繰り返すのがよいが、
 そもそもどう書いたらよいか分からないという場合、これをやる前にまず基礎力が必要。

・英作文添削
 自分で書いた英文を添削してもらいたい場合、ネイティブに見てもらうのが一番だが、
 頻繁にチェックしてもらえるわけではないので、今はアプリやAIを利用するのが手っ取り早い。
 
 Grammarly (基本無料。英文が文法的に合っているかをチェックしてくれる。お金払えばもっと詳細な指摘も。)
 https://app.grammarly.com/
 LexiBot(IELTSのWriting特化の添削アプリ。どこまで信用していいかという問題はあるが、点数も出してくれる。ただしフィードバックなどはすべて英語。無料範囲だとそこまで使えないので、3ヶ月で1000円程度かかると思う。)
 https://www.lexibot.me/services/free-ielts-writing-score-checker/
 ChatGPT(無料範囲で十分。ただし、ちゃんと指示する必要あり。書いた英作文を見てもらって、それを指摘をもらって、それを直してっていうプロセスをチャット形式で繰り返すことができるので何が悪いのか把握しやすい。日本語で質問して学べるのも大きい。)
 https://chatgpt.com/

 特に最後のAIは、古今東西の英作文を分析したデータベースの役割を備えているため、自然な英語を書くために利用するのもよい。(例: この英作文で文法ミスと英語として不自然なところを教えて などの指示を出すなど)

・英文暗記
 そもそも自分の言いたいことが英文で書けない場合、まずは頻出する英文のパターンを覚えてしまうのが手っ取り早い。
 おすすめは、
 「改訂新版 ドラゴン・イングリッシュ基本英文100」 by 竹岡広信
 これに載っている100文を暗記すると、だいたい英作文で必要な文法なども含んでいるので、
 それを活かして単語を変えたりするだけである程度自分の言いたいことが書けるようになる。

 本を読んで、その英文がどう組み立てられているかの解説を読むのが一番いいが、
 本が電子書籍で出ておらず手に入らない場合は、100文は下記Quizletに作っておいたので、
 後は各文の英文法的な解説は、文法書を見るか、AIに解説してもらうのが手っ取り早い。(Quizletの説明は「単語」の勉強法のところに記載してある)
 https://quizlet.com/user/ryotakato4/folders/84834433?funnelUUID=141efd40-2c14-4aac-a06a-da5852c5fb4d

 なお、この方法は別にこの本でなくても、AI自体に英文を生成してもらってそれを覚えるのもよい。(お金かからないし)
 例えば、「IELTS 6.0を目指す人の勉強用に、基礎英文20個挙げられる?ドラゴン・イングリッシュ基本英文100のような、暗記して自分で使いこなすと意味がある英文がいいな。」みたいに書けば、
 上手いこと基礎的かつ、実用性の高い英文を作ってくれる。

・つなぎ言葉(transition signals)の暗記
 英語では、文章と文章をつなぐための言葉がかなり重要。
 日本語でも、「それに加えて、〜」「しかしながら、〜」「結論として、〜」などの言葉があると、
 その後にどういう内容がくるのかをある程度推測できるので、読み手にとって読みやすい。
 英語はこの傾向が顕著で、つなぎ言葉がないと、結局何が言いたいのか理解してもらえないことも多い。
 
 これらを覚えて使いこなすようにすると、自身でもパラグラフ内の英文の組み立て方が楽になっていく。
 おすすめのURLは下記だが英語で解説してあるので、普通に「英作文 つなぎ言葉」とかでGoogle検索したり、AIに確認するのが早い。
 https://www.eapfoundation.com/writing/cohesion/transitions/

Speaking (約15分)

パート1〜3で構成されている
パート1: 対話。自己紹介から始まり、受験者個人のこと(家族、出身国、子どもの頃の経験など)や日常生活について質問されるので、それに答えていく。
パート2: スピーチ。話す内容の紙が渡され、1分間それについて考える時間が与えられ、その後2分程度話す。(例: オンラインでの講座などについて、経験やどう思うかなど)
パート3: 対話。パート2で話した内容をもっと一般的にした内容について質問されるので、それに答えていく。(例: オンラインラーニングのメリットデメリットについて、在宅勤務について)

面接官はだいたい皆優しいし、話しやすい環境を作ってくれるが、
こっちが話す場なので、会話を助けてくれたりはしない。
例えば、普段人と話すときは、相手の言おうとしていることを推測して相槌打ったりコメントしたりするのが普通が、IELTSの面談ではあまりそういうことはしない。

パート1,3で答えるときは、
・聞かれたことに対する簡潔な回答
・それに対する追加の情報
の2点を意識する。
例えば、パート1で、「小学校の先生と今でも連絡を取り合っていますか?」と聞かれた場合、
「はい、取り合っています。今でもよくお互いの近況を知らせ合うぐらいの仲で、この故郷に帰った際にも、お会いしました。」
「いいえ。数年前までは年賀状のやり取りをしていたのですが、ニュージーランドに引っ越したことを機に連絡が途絶えてしまいました。」
などのように、何かしらの情報をプラスすると、その後面接官はさらに追加の質問をするので、会話がポンポン続くようになる。
逆に、上記質問を聞かれた場合、
「はい、取り合っています。」
だけ答えると、面接官は「どれくらいの頻度で連絡していますか?」などの追加質問をしてくるが、
そうすると、決まった試験時間に対して、会話量が減ってしまって、
自分の能力を見せる機会も減るし、自分で会話を続けようとしないと判断されて点数が減る。

パート2は、内容の紙に書いてあることは必ずすべて話す。
例えば、
「自分の故郷、または、今住んでいる町で一番好きな場所について話しなさい。それはどこか、何故か、普段誰と行くのか、行ったときにどういう面白いことがあったのかなどを含みなさい」
というような問題が出るので、上記聞かれたことに論理立てて話すことが重要。
2分程度話し続けることが重要なので、短すぎると減点。
逆に多すぎても減点されることはない(面接官から遮られることはあるが、減点はされない)

Speakingで最も重要な点は、流暢性。
6.0ぐらいまでは、たとえ複雑な構文を使いこなせなくても多少間違っていても、止まらずに話すことができれば取れるらしい。
wellやyeahなどのfillerも活かしながら、とにかく話し続ける。
そして、間違っても言い直しをしない。訂正が入るとテンポが悪くなって流暢性が下がるため。
自分で言ったことが全部本当である必要はないので、ある程度作っても大丈夫。
(例: 実際はそんな友達が存在しないのに、旅行好きの友達の話をするなど)
ただし、ウソを盛りすぎると整合性を取るのに大変なので、本当のことをベースに追加情報が足りなければいくらかオーバーに話すぐらいがよい。

おすすめ勉強法

・実際に会話
 これしかないと言っても過言ではないが、なかなか実際に人と英語で会話する機会が少ないと難しい。
 そのため、今はAI会話が役立つ。
 おすすめは、Speakアプリ。お金はかかるが、人の目を気にせず話せるので、
 他人と会話するときの間違って伝わらなくて相手に申し訳ないみたいなことを考えずに練習できる。
 
・Speaking模擬試験
 どういう系の問題が出るのかというのはある程度決まっており、数ある中から選択して出題されるらしい。
 そのため、インターネットで検索すると、模擬問題がいっぱい見つかる。
 (以前はreadingielts.comというサイトでSpeakingの問題が全部みれたが、今はサイトが見れなくなっている。)
 それらを見ていくと、こういう系の質問されたら自分ならこう応えようとか準備ができるので、有用だし、実際に声に出して練習するのがよい。

・発音練習
 正直、7.0とか8.0を取るのでなければ、伝わりさえすれば、発音が正しいかはそこまで重視されない。
 たとえthの発音が正しく言えなくても、イントネーションやアクセントが分かりやすければ相手に理解してもらえる。
 そのため、単語に関してはどこにアクセントをつけて発音するのかを覚えておくのがよく、それ以上の発音はもっと高レベルになってからでもよい。
 文章中でどこを強調して言うか(イントネーション)は、一番重要な情報を強く発音するぐらいでよい。
 幸い日本人の英語は他のアジア言語(中国語や韓国語)の人に比べてきれいな発音であるとされているので、
 どうしても苦手な音かつ、理解してもらえない音(例えば上記AI会話で認識してくれない音など)を矯正するぐらいでよい。

 おすすめ書籍は「改訂3版 英語耳 発音ができるとリスニングができる」 by 松澤喜好のうち、発音バイエルという部分。
 あとは、英語圏では発音分野で著名なエイドリアン・アンダーヒルさんのYouTubeチャンネルが有用。
 https://www.youtube.com/playlist?list=PLbEWGLATRxw_2hL5hY164nvHdTpwhEOXC

 
・ニュース
 パート3で話すことは一般的な問題なので、それらの言葉が出てこないと話せない。
 そのため、ニュースを聞いて単語をストックしておくとよい。
 環境問題系の問題だったら、air pollution、environment issues、global warming、eco-friendlyなど。

その他

・単語
 正直単語帳は何を使ってもよい。TOEICやTOEFLのものでも十分必要な単語は覚えられる。
 あえておすすめする単語帳としては、下記あたり。
 「実践IELTS英単語3500」 by 内宮慶一 、吉塚弘
 「スピーキング攻略IELTS英単語」 by 中林くみこ (例文ありなのがさらに良い点 スピーキングと銘打ってあるが、IELTS全部に役立つ)

 より重要なのは、覚え方。
 1個の単語を5分も10分もかけて細部まで覚えてから次の単語に行くやり方は、結局頭に定着しないし、時間がかかってしまう。
 どちらかというと、1単語30秒以内ぐらいでぱっと覚えて、忘れてもいいから1日でできる限り多くの量にふれること。(例: 1日100単語など)
 例えば1000単語を覚えたいなら、100単語毎日やっていき、数日したら前にやった100単語を復習する。
 そうやって1000単語進んだら、再度最初からやり直す。のようなやり方のほうが定着する。
 これは、人間は一回で完璧に覚えるということはできず、何度も復習することで覚えていくことができるという、エビングハウスの忘却曲線という理論に基づいている。
 100単語だと、1単語30秒かけると50分かかる計算になるが、一度覚えた単語はもっと短い時間で思い出すようになるから、実際は1日20~30分ぐらいで終わる。
 
 品詞だったり、同義語だったりを同時に覚えるのももちろんよいが、それで時間がかかり過ぎると本末転倒。
 まず知っている単語の数を増やすのが目的の場合、とっとと単語自体の意味だけでも覚えてしまうほうが効率的。(特にテストという目標が明確にある場合)
 ある程度Readingで単語の意味を掴むのに苦労しなくなってきたら、
 単語の覚え方も、意味だけではなく使い方にフォーカスして、例文やフレーズで覚えるという覚え方にシフトしていく。
 この場合でも1日100単語のような大量に触れるやり方は継続すること。
 こうすることで、WritingやSpeakingで自分が自ら使える単語を増やすということができるようになっていく。

 単語帳アプリは色々あるが、個人的なおすすめはQuizlet
 無料でも使え、年間3000円ぐらい払えばフル機能使える。
 英語->日本語だけではなく、日本語->英語なども簡単にできるし、
 覚え方も選択肢から選んだり、自分でスペル打ち込んだりと色々あるので、タイピングすることでスペルを覚えることも簡単。
 他の人が作った単語帳をそのまま自分も使えるので、自分でゼロから作らなくてもよい。
 下記URLの各フォルダに僕が作ったものを入れてある。 

・文法
 基本分からない文法はネットを検索すれば載っているので、ここではまとまって勉強する場合のおすすめ本を紹介。
 「Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル2~1カ月でやり直し英語の総仕上げができる! Mr.Evineシリーズ」 by Evine
  中学英文法が不安な場合に、ここから復習。
 「English Grammar In Use」 by Raymond Murphy
  英文法の書籍としては世界的に有名。Fifth Editionが最新。
  かなり細かいところまで載っているので、これを一通りやればIELTSで必要な文法は身につく。
  ただ、かなり量があるので、自分のできないところだけやるだけでもよい。
  英語で文法が紹介されているので、ある程度最初は、英文法関連の単語(例: Present perfect -> 現在完了形、Relative clauses -> 関係代名詞と関係副詞、など)を理解するのに苦労するが、
  分かってしまうと、英語の考え方で英文法を学べるのが利点。(やはり日本での教科書とは違うと感じる)

ざっくりこんな感じ。




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